学校

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莉乃「しましたよ、色んな人に意見を貰いました。」 ━━━━━━ 1年前 生徒A「ほらそこ、まだ残ってるよ?」 莉乃の髪を掴み汚れた便座に押し付ける 莉乃「~っ!!」 涙を溢し首を横に振る 生徒A「は?何?聞こえないよ?」 さっきよりも強く便座に莉乃の顔を押し付ける 莉乃「うっ…!!」 気持ち悪さのあまり思わず嘔吐する 生徒A「うわ汚…お前掃除しろよ?」 押さえ付けた手を即座に離すと莉乃は生徒Aに対して唾を吐きつけた 生徒A「っ!!てめぇざけんじゃねぇよ!!」 莉乃の背中を蹴りトイレの扉にぶつけると莉乃の額から血が溢れその場に倒れ込む 莉乃「……」 生徒A「…あ…あぁっ…!!」 身体を震わせ脱兎の如く生徒Aは逃げていった。それを見計らって血を流しながらも立ち上がりトイレから去っていく ━━━━ 廊下 莉乃「はぁっ…はぁ…」 おぼつかない足取りで下駄箱に向かおうとした時偶然通り掛かった教師に声を掛けられる 教師「…大丈夫か!?」 莉乃「…」 教師「どうしたんだ!?」 莉乃「…何でもないです」 おぼつかない足取りで靴を取り出しひっくり返すとおびただしい程の画鋲が靴の中から落ちる 教師「…」 莉乃「…どうしますか?見てみぬフリしますか?それとも報告しますか?」 教師「…報告する…しない訳にいかないだろ保健の先生呼ぶからそこにいろよ!?」 莉乃「いえ大丈夫です、自分で病院行くんで…」 画鋲を黙々と拾い鞄からケースを取り出しその中に入れる 教師「…なんでそんなモン持ってんだ」 莉乃「よくある事ですから…はい、あげます」 画鋲の入ったケースを教師に向けて放り投げる 教師「ちょっ…」 莉乃「さよならー」 教師「2組13番…覚えたからな!必ず報告するぞ!」 莉乃に向け教師が呼び掛ける ━━━ 帰路 溢れる血を抑えようと公衆トイレに閉じ籠る 莉乃「……」 ハンカチをポケットから取り出そうとした途端、一枚のカードが床に落ちた 莉乃「……相談…ダイヤル…?」 それは入学式の時に配られたものだった、当時は見向きもせず何の気に無しスカートのポケットに入れていたものだった。 教師の心配を無下にした莉乃にとって頼れるものはこれしかなかった 莉乃「…」 携帯を取り出し震える手で番号を打ち込む 莉乃「…」 コール音がひたすら鳴り続け、一向に繋がる気配がない 莉乃「っクソッ!!」 何度も何度も掛け直し10分後遂に電話が繋がった オペレーター「…はい」 莉乃「あっ!…もしもし」 オペレーター「何ですか?」 電話に出たのは気だるそうな態度のオペレーターだった 莉乃「あの……その…しにた…」 オペレーター「はい?何ですか?もう一回ちゃんと話してくれます?」 莉乃「その…」 今までされてきた屈辱、誤解、憎しみ、悔しさ、悲しさ、痛み、怒り様々な感情がこみ上げ声を出す事が出来なくなっていたそんな時、電話越しのオペレーターが声を発する オペレーター「用がないなら切るよ」 莉乃の持つ画面には僅かな通話時間が記され、一瞬でも頼みの綱であったカードは一分にも満たない早さで無意味な数字の羅列となった。
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