【2000字掌編】雪花葬

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 何もかもが現実味がなく、それが悪夢だと悟ったのは、一年ほど経ってから彰が戦死したという知らせを受け取ってからだった。  空に、また雪が舞う。  深冬は、自分につけられた名を思う。彰は、村が雪化粧に染まるこの季節が好きだったのだ。  けれど、問いかけて答えてくれる人は、もういない。
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