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僕が話さなくちゃいけなくなったのは
身体を支配されたからってわけじゃない。
「言っておくが——この男がおまえになびく事はないぞ」
「え……」
「こいつは貴恵が世話してやってる警視庁の犬だ」
僕が思っていた以上に調べはついていたからさ。
「自分に何かあった時、決して被害を被らないように貴恵は相当報酬を与えてやってるはずだ」
裸でベッドにうつ伏せになったまま動けない僕のところに。
もう一度件の写真を押しやると征司は言った。
「そのすべてを捨ててまで、おまえと遊ぶ価値があるか?」
「ないと言うの?」
反論する力はなかったけれど。
ここまでしておいて——僕にその価値がないと言うなんて許さない。
「それに遊びなんかじゃないよ」
頭もたいして働いていない上。
悔し紛れに僕は白状した。
「薫お兄様のいう通り——貴恵は僕に鈴蘭の毒を食べさせたんだ」
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