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そしてあっという間パーティーの日。
あの日から冴木とは顔を合わせていない。
連絡してもとにかく当日は君に合わせるから。
俺を信じていろと。
今は忙しいんだの一点張りで取りつく島もなかった。
「やあ、オフィーリア」
「椎名さん!あなたも呼ばれていたの?」
「まあね。君んとこのご当主からじゃなく、関係者からのお誘いだってのが誠に遺憾ではあるが」
言いながら洒落た色合いのモッズスーツに身を包んだ椎名涼介は、辺りを見回し肩をすくめた。
「それで君の作戦は?進んでる?」
パーティーが開かれるバンケットルームは
ただでさえ人の出入りが慌ただしい。
「少し髪を巻こうと思うの。付き合って」
僕は内緒話すべく彼の手を引いて
一番近くのパウダールームに連れ込むと鍵をかけた。
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