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俺は一度椅子から立ち上がって彩花をベッドに寝かせ、再び座った。
ここんところほとんど寝てないのは、アイツには言わないでおこう。だが、マズいことになったのもまた事実ってわけでなぁ。
「一ノ瀬くんが心配なら見てくればいいじゃない……僕には時雨ちゃんがついてるから。」
「俺までゲームオーバーになったら誰がガキンチョどもの問診をするんだ?それに、アイツには俺の剣技をこれでもかってほどに叩き込んでやったんだ。無様にやられるわけ……」
僕には分かった……影夜はすごく不安がってる。でなきゃ、冬場なのにあんなに汗かかないよ。
―臨海市中央公園付近―
「遊真のやつ……まーだ来ねぇのかよ。もう一時間は経つぜ?」
「奴は来ない……俺の仲間が殺したからな。」
……今コイツ、何て?は………遊真が……死んだ?お、おい……嘘だよな、それ?
「テメェ、何者だよ!そもそも遊真を殺したってのはどういうつもりか教えてもらうぜ!ライブギア、スタート!」
オレは目の前に現れた黒フードのクソ野郎をぶちのめすためにライブギアを起動して戦闘態勢に入った。向こうも服装が変化したってことは、ライブギアを起動して待機してたってことか。
へっ……せいぜい楽しませてくれよ、ノンクレイジーな野郎!
「うおるぁぁぁあ!」
ガギィン……
「なっ……オレの剣を止めやがった……!?」
「〈緑風の剣聖〉……お前は、雇い主の計画の邪魔だ…」
キィン、ガキキィン!
ヤベェ……今まで戦ってきたどんなヤツとも格が違う!そもそもコイツの動き、どう考えてもゲームやり込んでるようなヤツの動きじゃねぇ!
「こんちくしょお!」ズガーン!
「既に俺の仲間の手により二人の者がゲームオーバーになっていると…俺は言った。お前も同じ運命を辿れ!」
「絶対断るっ!」バッ……
…ほう、多少の無駄があるものの実に洗練された動きだ。通りで腕が立つと言われるわけだ。
しかし、歩んできた道が違えばそれは時に牙となって突き刺さる…今よりそれを味わせてやろう!
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