多分まだ処女と童貞です

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 影は信じられないようにみのりへ首をのばしてきた。みのりはぷっと吹き出すと、首をひねって確認した。 「痛かったりとか……もしかして、現実でも妊娠したりとかしない? ──しないか。ならいいや。はい」  夢で強姦魔に色々たずねる自分が馬鹿らしくなってくる。  何だかどうでもよくなって、みのりはさっさと正座をくずすとその場にごろりと横になった。びっくりしている様子の影に寝転がったまま告げる。 「一応先に言っておくけど、こういうことは初めてだから。多分、考えてるような色っぽい反応は無理だと思う。どうしていいかわかんないし」  気分はまるで病院の診察台にのっているようだ。  影はおずおずと近づいて来た。少しこまった雰囲気で、転がるみのりを見下ろしている。  しかしようやく決意したのか、黒い頭が距離をせばめた。みのりの顔に顔がより、唇が何かにふさがれる。柔らかいその感触に、多分キスされてるんだろうと考える。 ──変な強姦魔。  みのりは思わず眉をよせた。  普通、強姦って乱暴に体をさわって来るもんじゃないの? キスするところから始めるなんて、普通の彼氏彼女のようだ。普通の強姦がどんなのか、なんて経験したこともないけど。っていうか、普通の経験も全然ないけど。  頭を疑問符でいっぱいにしながら強姦魔の唇を受ける。初めはそろそろとこすりつけて来たその柔らかい感触が、不意にぎゅっと押しつけられた。相手の熱っぽい息がもれ、さらに呼吸をふさがれる。何だかやるせなさそうな、相手の切なげな意思を感じた。 ──初めての経験に感動? って感じかなあ。  自分も初めての経験だったが、みのりは冷静にそう思った。  やっと唇の感触が離れた。みのりがほっと息をつくと、今度は黒い片手が伸びて、どこか遠慮がちな手つきでみのりの胸にふれてくる。  それなりにボリュームのある胸をそっと大きな手がつつみ、たしかめるように揉んできた。押し当てられた手のひらの熱さとぎこちなさの中に恥じらいが透けて、ふれられているみのりの方が逆に恥ずかしくなってきた。
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