多分まだ処女と童貞です

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「あの……えーと」  照れかくしにみのりが声をかけると、影はぎくっとしたように離れた。 「あ、いやいや。いいよ、続けて? っていうか、これじゃ、いつまでたってもラチがあかないっていうか……。多分、最後まで終わる前に夢からさめちゃうんじゃない?」  そうみのりが続けた言葉に、影がはっとして顔を上げた。 「私は別にそれでもいいけど、ちゃんと最後までしたいんでしょ? だったらもうちょっと急がないと。とりあえず……はい」  寝転がったままのみのりは大きく両手を前に広げ、とっとと自分の上に乗るよう黒い影をうながした。 「いきなり入れるのは無理だけど、まずはくっつくところから始めた方が早いんじゃないかな」  黒い影は深くうなずくと、そっとみのりに身をよせて大きな体を重ねて来た。 ──どうして私の方が強姦魔をリードしてるんだろう。  不可解なものを覚えつつ、みのりはぴったりくっついた他人の肌をたしかめた。  一応女子の自分とはやっぱり異なる筋肉質の、どこもかしこも引きしまっている固い印象の体つき。異性を感じる体格が自分の上に乗っている。だが、体重をかけないように四肢に力を入れているのは、下にいるみのりにもよくわかった。ずいぶんと気を使う強姦魔だ。  太腿に固い隆起が当たり、生々しい男性器の感触に一瞬びくっと肩をちぢめる。が、強姦魔は耳元で一度大きくため息をつき、今度は強い力でぎゅうぎゅうとみのりの体を抱きしめてきた。どう考えても恋人みたいだ。  再び唇をふさがれて、今度は深く重ねられる。ぬれた感触の物がぬるりと唇を割って入ってきて、これがディープキスというものか、とみのりはぼんやり考えた。なんだか相手の熱意に押され、まるで両想いの彼氏と初めての経験をしているような、妙な勘違いを受ける。 ──いやいやいや、そうじゃないって。嫌だってば、こんなのっぺらぼう相手に。  おかしなことに両目を開けても、前にある顔は黒いばかりで人相などまるでわからない。だが、さすがに印象や体格で若い男だということはわかった。  肉厚な舌がみのりの口内を夢中でまさぐってきて、熱い唾液が舌にからむ。この時点ですでにかなりの興奮をしているらしい彼にあきれ、みのりはやれやれと思いながらも背中に両手を回してやった。 ──先が思いやられる。  だが、みのりのその行為が彼を現実に引きもどしたらしく(夢だけど)、はっとしたように唇を離した。そのまま黒い顔が下り、みのりの胸によせられる。 「うひゃあっ……!」  ふくらみの山頂を口にふくまれ、思わず変な声が出た。今までキスをしていた舌が胸の先端をこすりだし、ころがすように刺激する。きゅっと勢いよく吸い上げられて、背中が弓なりにそってしまう。  みのりの反応に気を良くしたのか、影はもう片方の先端に同じ形で吸いついた。今まで遠慮がちだった態度は一体どこへ行ったのか、両手でふくらみを揉み上げながら突起の固さを堪能している。 「んっ、……んんん!」  おかしな声を上げないようにみのりが唇を噛んでいると、胸からぬれた質感が離れた。軽くみのりの唇にキスの感触を落としてから(なんだ、この彼氏みたいな態度は)、優しく足を開かされる。
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