大人の階段上ってます

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 気づきたくなかった自身のスキルにみのりは愕然とした。  女子高育ちにありがちな耳年増の洗礼を受け、いやらしいことに若干興味がないわけでもなかった。が、こんな恥ずかしい妄想のような形で覚醒してしまうとは……。  だが強姦魔はみのりの敏感な反応がうれしいらしく、的確にぞくぞくする場所を温かい舌で責めてくる。じゅるっと水音を上げながらとがった突起に吸いつかれ、みのりは大きく体をゆらした。 「あっだめ、いやだって──あ‼」  開かれたみのりの内側に細長い何かが入ってきた。多分指、と思ったとたんに中で釣り針の形になり、先が腹側の壁をさぐった。喉の奥から息がもれ、勝手に腰が浮いて行く。  天井を押し上げるように指が動いて、次の瞬間、みのりは体をのけぞらせて達していた。 「あ……あ……あ」  長い指が入った場所がひくひくとうごめいている。それが自分でもわかってしまって、みのりは羞恥に頬をゆがめた。まだ中にある指先がうれしそうに出入りして、みのりは官能の余韻にあえいだ。つい先ほどまでみのりにふれるのもおそるおそるだったはずのそれが、今はみのりの全身を指一本であやつっている。 ──本当にこの強姦魔は、性的なスキルがあるのかないのかさっぱりわからない。  ぼやけた思考を巡らせながらみのりがそんなことを考えていると、不意に影が起き上がった。上体をみのりへ近づけて様子をうかがっているようだ。  快楽に溶けた視線を送ると、影がごくりと息をのんだ(ように見えた)。  いい? と聞かれているような雰囲気に、みのりはのろのろとうなずいた。そう言えばすっかり忘れていた。彼にとっては、ここからが本番だ。  ずるっと指が引き抜かれ、みのりは背中を震わせた。これよりもっと大きなものがみのりの中に入ってくるのだ。ふくらむ不安とかすかな期待が胸の内で交錯し、みのりは思わず吐息をもらした。  影が再び上に乗ってきた。今まで以上に足を広げられ、よいしょ、といった感じで彼へと体を引きよせられる。 しどけなく開いた膝の間に厚みのある腰が入ってきて、先ほどまでいじられていた敏感な奥に何かが当たった。入ってくる、と思ったみのりは強く両方のまぶたを閉じた。が。  固い何かがぬるぬると粘膜をこすり上げるだけで、いっこうに入ってこようとしない。やるせないような気分になって、みのりは再び目を開けた。 ──これはテクニックの一種なのか。それとも……。  どうやら「それとも」の方だったようだ。  自分の上にある影は、明らかに動揺した雰囲気で接合部に顔を近づけていた。ふき出しそうになるのをこらえ(だって、ここでふき出しちゃったら確実に彼のトラウマになる)、みのりは小さくささやいた。 「えー、っと……。あ、もうちょっと下、かな……あっ」
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