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本当に時々なのだが、玲はそれを〝トリップ状態〟と名付けて笑った。
ずっと彼女の傍にいたい。彼女を守りたいから。
彼女が戻ってこれなくなる前に連れ戻すのが自分の役目だから。
自分は、春樹咲希の一番の理解者であり続ける。
んん、と小さい声とともに身じろぎをした彼女を見て玲は、ふっと笑った。
根っからのアーティストだからな、と心の中で呟き、囁いた。
「この僕をこんなに振り回すなんて、あなたは本当に大した女性です」
でも僕は、あなたに振り回される人生を10年前のあの日、もうすでに覚悟した気がします。
「僕は、あなたの為に生きるんです」
耳元で囁かれ、彼女はくすぐったそうに肩を竦めた――。
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