9/10
1279人が本棚に入れています
本棚に追加
/285ページ
 絡めていた舌がゆっくりと離れて、最後にそっと唇を離す。  玲君の瞳が妖しく揺れて、ドキッとした。  これは、反則級の芳香。  選ばれし大人の男のみが持つ色気。 「咲希」  にっこりと微笑む玲君に私が思わず「はい」と応えると。 「僕は、今夜は〝お仕置き〟する、と決めて帰ってきました」  マズイです。  気まずさに逸らそうとした顔が掴まった。 「さっきも言いましたね。僕は少々怒っているんですよ」
/285ページ

最初のコメントを投稿しよう!