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 触れて、なぞる指先が私をどんどん悦楽に導いていく。  濡れて溢れてーー駄目、完全に溺れせられる! 私も負けない!  玲君の身体を愛撫しようと手を伸ばした。  けれど、その手は玲君に簡単に掴まれてしまった。 「玲君……」  薄暗い部屋に差し込む月明りが、玲君の美貌を妖しく染める。  通った鼻筋、彫りの深い顔にできた影に胸が跳ねて、締め付けられる。  玲君はちょっぴり不敵な笑みを見せて私の手の平にキスをした。 「今夜は、ワンサイドです」
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