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依頼 ~クリームソーダ編~
じりじりと、夕方なのにも関わらず照りつける強い日差しに呆れて、深い溜息をつく。
日が沈めば、少しは涼しくなるだろうか。
そんなことを考えながら、読んでいたノートを静かに閉じる。
すると、扉が開いて涼しげな鈴の音が店内に鳴り響いた。
ゆっくりと視線をそちらに向けると、どこかおどおどした様子で目を伏せながら、肩を竦めて胸元で両手をぎゅっと握りしめた小柄な女性がそこに立っていた。
顎のラインで整えられた短い黒髪は、艶があって店内に入り込む夕日の光を反射してきらきらと輝いている。
黒くて大きな瞳に奥二重、唇は薄くてほんのり桃色に染まっていた。
――年齢はきっと二十代前半ぐらい、たぶん同い年ぐらいだろうか。
閉じたノートをカウンターの上にそっと置き、木製の丸い椅子から立ち上がる。
「いらっしゃいませ」
透き通るような、思わず聞き手がうっとりするような声が静かな空間に落ちる。
彼女は一息つくと、まるで何かを決心したかのように口を開いた。
「あの…この前、"物さがし"で依頼した朝倉です」
朝倉、あさくら――。
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