1 女子大生の金

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「あら、お嬢さん。いつも来てくれてありがとう」  カーテンを開けると、豪華な椅子に座ったおばあさんが居た。そして、彼女と机を挟んで向かい合うようにして、こちら側にも椅子が一つ設けられている。  私はその椅子に腰掛けると、おばあさんの穏やかな笑顔に目を向けた。私は、自分の自然と表情が緩んでいくのを感じた。 「あなた、いいオーラが出てるわね」  おばあさんが言う。 「本当ですか?」 「ええ。あなたが初めてここに来たときに比べると、あなたの厄は大分落ちたみたいよ。どう?ここに来てから、何か悪いことがあったかしら?」  私は頭の中で、今日までの記憶をざっと振り返ってみた。そう言われてみると、前に比べて、嫌なことが少なくなったような気がしないでもない。  私が小さく頷くのを見てか、おばあさんは嬉しそうにこう言った。 「ほら、そうでしょう?私があなたの厄を落としているのですよ。あなたがここに来て損することはないのです」
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