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「お前っ…、いじめられてるのか!?」
シン。
そんな擬音がぴったり当てはまるような静けさが教室を包んだ。
「え?」
「おいっ!お前ら離れろよっ!!こいつ怖がってんだろ!」
そう言って周りのあずさ親衛隊ゴリ部(あずさ命名)を引き剥がそうとする。
いや、暑苦しいとかむさいとかは思ってたけど別に怖くねーし。
つーかお前、近付くな。
ゴリ部頑張れ。
「なんだよお前っ!」
「キモイんだよ毬藻のくせに!」
「あずさちゃんに近付くな!!」
皆ありがとう。この恩はきっとすぐに忘れる。
「あずさ大丈夫?」
こそっと光が近付いてきた。
「俺、あれ、無理。生理的に、無理。」
片言で伝えると肩を竦める光。
さしずめ"Me too"という所か。
パンパンッ
こーちゃんが手を叩いた。
注目を集めたい時のこーちゃんの癖だ。
「お前達うるさい。マリオ、お前の席はそこの篠宮の隣。他の奴らも席着け。」
遺憾ながら、と言うように全員渋々と席に戻る。
あれ、これ一時間目やんな?
めっちゃ疲れたんやけど。
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