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「「「おはようございますっ!」」」
午前八時、生徒会の皆様が登校してくる。
可愛い男の娘達は声を揃えて挨拶をした。
そんな中一人の少女、いや、一人の少年が前に出る。
「会長様ぁ、お荷物お持ちしますぅ」
その甘ったるい声に声をかけられた青年は顔を顰めた。
「気色悪い声を出すな」
低い声は明らかに苛立ちを含んでいるが少年は全く気にせず、むしろ声をかけてくださったと顔を綻ばせている。
その様子を見て会長は不機嫌そうに舌打ちした。
「会長、そんな女男にかまけてないで、行きますよ」
冷ややかな視線をその少年に向けすぐに会長へ声をかけるのは副会長。
「おう。」
短く返事をし、少年を人睨みすると副会長の方へ駆けていった。
「宮坂さんさぁ、よくめげないねぇ。そういう粘着質なとこは感心するよぉ」
ヘラヘラと笑みを浮かべる金髪の青年の瞳には明らかな侮蔑と嫌悪が見て取れた。
「ありがとうございますぅ」
しかし、スタスタとどこかへ行ってしまったのか、その少年の返事は金髪の青年の耳に入ることは無かった。
「その話し方ぁ」
「気持ち悪いしぃ」
「その格好もぉ」
「気持ち悪いからぁ」
「「どっか行ってくれなぁい?」」
次に少年に声をかけたのは双子だった。
その愛くるしい容姿からは想像もつかぬような言葉がすらすらと出てくる出てくる。
「そんなぁ〜、庶務様にぃそんなこと言われたらぁ、あずさ泣いちゃうぅ」
きゅるんと上目遣いにそう言うと双子はおえ、ゲロォと言い捨て去っていった。
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