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生徒会役員の背中が見えなくなると少年はくるっと振り向いた。
「はいっ、じゃあみんなぁ各自教室に行こっかぁ。はいっ、解散!」
「「はいっ、隊長!」」
ぱたぱたとそれぞれ各教室へ向かう親衛隊の生徒達をあずさはニコニコと可愛らしい笑顔で見守っていた。
そうして、気づけばその少年以外誰もいなくなっていた。
少年は無言でスタッとベンチに座る。
そしてはぁっと息を吐き出した。
「あー、まじで無理やねんけど。なんなんあいつら、気色悪すぎん?」
その糖衣を脱いだ声と先程までと打って変わって面倒くさそうに顰められた顔をこの学園の生徒が見たらギョッとすることだろう。
このツインテールのJKのような格好をした少年、宮坂あずさは生徒会親衛隊総隊長で性悪ぶりっ子女男として有名だからだ。
「つぅか、こんな可愛いあずさをキモいってありえんやろ普通」
ブツブツと呟いていると遠くから親友が歩いてくるのが見えた。
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