突然の通達

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ことの始まりは5分前。 時はとある火曜日の午後7時3分。 家中に響く一定のリズム音。それは夕食の準備をしていた家族みんなの注目を集めた。 その時、その音源があるリビングにいたのは、私を含め4人。 台所でキャベツの千切りをしている母。 仕事から帰宅し、ちょうどお風呂からあがってきた上半身裸の父。 ばい菌とパンが戦う姿を見ながら、手に汗を握っている3歳になる弟。 そして私。食卓を布巾できれいに拭き、人数分の箸をセッティングしているところだった。 その音にいち早く反応し、音を消し去ったのは私。 そして、いつもの決まり文句を口に出す。 「はい。桜井です。」
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