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異世界転移
「臥龍様、絶対幸せにします!付き合って下さい!」
「ごめんね無理。断るの何回目か、お利口な君なら分かるよね?そろそろ諦めなよ。僕の恋愛対象君以外だからね?」
今この子から告白されてたのがこの僕。麻我臥龍。で、この子は霧縄絢斗、僕の犬。何世代か前までは僕の家に代々使える執事的な存在だったけど、この子のお爺さんの時にその決まりがなくなって、普通の家に。まあ今も家ぐるみの付き合いなんだけど、最初に会った時に何故か懐かれて今に至っている。かなり従順なんだけど僕に恋愛感情持ってるみたいで、告白ばっかりしてくる。幼馴染なんだが昔からこんな感じ。因みに今週二回め。大体三日周期で告白してくる。初め……最初に会った時も告白してきたなぁそういえば。
あ、落ち込んじゃってる。しょうがない。
「犬斗君、パン買いに行くけど、付いてくるよねぇ?」
「はい!」
喜んでる喜んでる。たまには飴もあげないとね。
「あ?...!?臥龍様ァ!?」
「ん?小判でも見つけ…っ!?何これ、魔法陣!?」
足元では複雑な模様の魔法陣がキラキラと輝いていていて、こんな状況なのになぜか見入ってしまいそうになる。あ、やばいなこれ。意識が...
「臥龍様ッ!!」
薄れてゆく意識の中、絢斗が走ってきて俺を支えた事だけは覚えている。あーあ、馬鹿な犬。放っておけばよかったのに。
そうすれば君は助かっていたのに。
後で知ったけど、魔法陣などの魔力には特殊な効果があるものがあり、これは副作用なんだとか。
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