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幸せの瞬間
ありがとう、凜はグラスを持ちカクテルに口をつける。ほんのりと甘く柑橘系の香りが鼻腔をくすぐり喉が熱くなるのを感じる。顔や体がふわっとなった。
「甘くて美味しい」甘い香りが凜から漂う。凜を抱き包むように座っていた悠斗は凜からグラスを取ると一口、自分も口にカクテルを含んだ。
「凜にはちょっとキツイかな?」クスっと笑いからかうように言う。
「そんな事ないよ、大丈夫だよ」拗ねた顔をする凜に、ふうん…と相づちをうちながら、悠斗は凜の後ろ髪を横に流し首筋のあたりを鼻を滑らせ唇を押し付けた。
「凜…甘い香りがする」耳元で掠れた声が聞こえる。
凜はピクっと肩を揺らし小さくなる。「悠斗?どうしたの?悠斗の方が甘いよ…ドキドキするよ」
今まで幼馴染みの関係を貫き通してきたが、そのストッパーが外れたんだ。もう自分の気持ちを抑えなくていい。
悠斗は凜の頬に手を添えて自分の方に向かせる。凜の瞳を覗き込み見つめると「凜、かわいい…」唇を寄せた。
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