82人が本棚に入れています
本棚に追加
大学に行く前に家に戻るという凜を家まで送ると言ったのに大丈夫と言い張るので玄関先まで見送る。
「じぁあ、また後でね」玄関の方に振り向こうとしたら、悠斗が屈んで長い前髪から瞳を覗かせ凜を見つめチュッと触れ合うだけのキスをした。凜が顔を赤らめると「後でな」と頭を撫でた。
もう…何なの?今までの素っ気なく私が周りで騒いでも興味ないって態度だったのがこんなにも変わって甘い行動をおこす悠斗にとろけそうになりながら「やっぱり夢なのでは?」と思いながら家に着くと玄関の前に母が仁王立ちして待っていた。
「ただいま…」
「凜!遅くなるって言うのは聞いていたけど泊まるとは聞いてないわ」
「ごめん…連絡忘れた…」
「どこに泊まったの?」
マシンガンのように次から次へと質問が飛んでくる。
「うんと…悠斗の家、悠斗と付き合う事になりました」
「あらやだ!やっとなのね…片想い卒業じゃない…あら…そう…」うふふとニヤニヤしながら
母はリビングに戻って行く。
悠斗は母のお気に入りだけに怒られないで済んだ。
最初のコメントを投稿しよう!