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異世界に行く前の準備
気づいた時は真っ白な場所にいた。
(あぁ、自分は死んだんだなぁ)と呟いた。
どうせ誰も聞いてないだろうけど――
まだ20才にもなってないのに――
ただ、こんな不治の病なんてかかってなければなぁ。
友達と遊んだり彼女とか作ってキャッキャウフフみたいな事したり、美味しい物食べたりとかそんな当たり前な生活をしたかったなぁ――
軽くふぅ―とため息をつく
まぁ死んだなら仕方ない、自分という存在が地球から消えたんだ。今の意識みたいなものが無くなれば全てが終わりだな。
神様でも閻魔様でも早く来て下さい。
「呼んだかな?」
いきなり声が聞こえてきた。
周囲を見回しても何もない。
「あぁ、周囲を見ても何もないよ。君の居る場所と僕の居る場所は次元が違うからね」
どういう事?
違う次元から自分を見てる?
「正解。僕は天界から君の様子を見てるんだ。そして君の居る場所は中界(ちゅうかい)って言ってね、そこで少しの間過ごした後に輪廻の輪に入るか消滅か、転生するか決まるんだ。理解出来た?」
まぁ、輪廻の輪とか消滅とかは大体わかったけど転生って?
よくラノベでもあるようなチートスキルとか貰って異世界転生って事?
「それで概ね全部。小説みたいなスキルはあげられないけど、神のさじ加減でそこそこのスキルはあげられるよ」
へぇ、小説だけの話かと思ったけど実際にあるんだ。
いいなぁ~転生かぁ。
もう最初から自分は転生出来るなんて思って無いから、神様の話が自分には凄く羨ましく聞こえた。
しかも妄想までしてた。
(もし、スキルが貰えるなら地球の調味料とか台所用品とか食材が自由に出せるスキルが欲しいなぁ。
それにもう病気やケガは嫌だから丈夫な体と病気やケガが直ぐに治るスキルが欲しいし、料理を作る為に使える魔法もあると便利だな。
後、荷物や食材なんか入れたり出来る空間収納のスキルなんてあると最高だし。それと1人じゃ淋しいから相棒みたいなのがいたら嬉しいな。
そうだ、錬金術みたいな事が出来ると便利だろうな。
異世界に転生出来るなら魔物とか魔獣とかと交流出来るスキルなんてあるんだろうか?
異世界の人と話したり物の読み書きも出来なきゃどうしようも無いしこれもスキルとしてあるのかな?
自由に行動するならある程度の強さもないとなぁ。
強者に捕まって奴隷になるとか勘弁だし、呪いとか掛けられたら困るから解呪出来るスキルもあると便利かなぁ?――)
「はぁ~、君大概に欲張りだね。今までそんなに要求した人いないよ?」
色々妄想していたら呆れるようなため息と共に声が聞こえてきた。
わぁ、すいませんすいません。許して下さい。
もし転生出来るならって考えてたら色々妄想が止まらなくなって
もう妄想しません。
輪廻の輪でも消滅でもなんでも決めて下さい。
神様に向かって出過ぎた妄想してしまって見えるかわからないけど土下座して謝罪してた自分がいた。
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