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カリギュラ効果:禁止されるとやりたくなる心理
相内「○○してはダメ!と言われるとやりたくなってしまうという話をよく耳にします」
上岡「天邪鬼なんですかね?」
相内「ひとつ実験をしてみましょう。では、僕が良いと言うまであなたは『右を向かないでください』」
上岡「え?は、はい」
相内「こう聞くと言われたことと逆のことをしたくなって『右』がなぜか気になってしまう心理効果を言います。これを『心理的リアクタンス』とも言います」
上岡「うーん。確かにちょっとむずがゆい感じがしますけど…」
相内「まぁ適当な例なので、見ても良いですよ」
上岡「何か納得がいかない… 何もないし」
相内「簡単な心理効果なのでよく使われていますね。ちなみに、使う時のコツは『禁止』と『命令』です」
上岡「ダメだって命令するってことですか?」
相内「その通りです。元は一部地域で上映禁止になった映画『カリギュラ』を観たくなってしまった人々がデモを起こした時の心理からつけられた名前です」
上岡「デモが起きたんですか?」
相内「はい。しかし最近では、これ1冊で試験に合格したい人だけ見てください!という参考書や面白すぎて中毒になるのでプレイしないでくださいというゲームのキャッチフレーズとか、読まないでくださいというこの作品のあらすじとか、世の中にカリギュラ効果があふれてしまっているので、効果は薄くなっているかもしれませんね」
上岡「もしかして、この作品のあらすじにはそういう意図があったんですか?」
相内「実はそうです。タイトルの『○○すぎる!』という特に意味のない伏字もカリギュラ効果の応用です。もし読者の中に『○○すぎる』って何が入るんだろう?とか『読んではいけないと言われたから』気になって開いてしまった。という人がいらっしゃいましたら、カリギュラ効果を見かけた時に、これから上岡さんが言うことを口ずさんでみてください。意外と楽になります」
上岡「えーっと…『自分には関係ないし、そこまで重要なことでもない』ですか?」
相内「そうです。そもそも世に出ているほとんどの作品は見たり聞いたりを禁止する理由がありません。映画『カリギュラ』も年齢指定こそあるものの、今では誰でも見ることができます。しかし!『僕には関係ないし、そこまで重要なことではありません』ので見るつもりはありません」
上岡「別にもう禁止されていないなら見てもいいのでは?」
相内「残虐なシーンが怖いので嫌です」
上岡「嫌と言われると見せたく…」
相内「それはただのイタズラ心です!とにかく!このカリギュラ効果を使った商法が今の世の中にはたくさんあって、そしてそのほとんどは営業目的です。そのすべてが気になってしまっては毎回お金を払ったり気疲れしてしまうので、今回は気にしない方法を紹介しました」
上岡「カリギュラ効果を使った商法って悪いことなんですか?」
相内「いいえ。あくまでただの手法のひとつです。ただし、カリギュラ効果には大きなデメリットがあります」
上岡「デメリットですか?ダメだって言うだけの簡単に使える効果に聞こえるんですけど…」
相内「仕掛ける側ではなくされる側の問題です。それは、精神的に負荷がかかることです」
上岡「えっと、あれもダメこれもダメって言われ続けることが負担になるって感じですか?」
相内「まさしくその通りです。そもそもなぜ禁止にされると気になってしまうのでしょうか?」
上岡「え?どうしてでしょう?」
相内「それは、未知の物事は恐怖の対象として捉えてしまうからです。お化けが怖いも同じようなものですね」
上岡「でも相内先生も本作品で使ってますよね?」
相内「ごめんなさい。出来心です」
上岡「まあ。引っかからなくなる方法を教えてくれるだけまだマシと考えましょうか」
相内「ありがとうございます。話をまとめますと、カリギュラ効果を応用してあえて禁止することで興味を引く商法がありますが、あなたには関係ないことなので気にしなくても大丈夫です。本当に好きなことにだけ興味を向けましょう。というお話でした」
上岡「そして、この作品を読んで心理学に興味を持ってくれる人が1人でもいたら嬉しいです」
相内「興味を持った方は、今すぐにインターネットで『心理効果 一覧』などで検索してみてください!面白いものがたくさんありますよ!」
上岡「ご精読ありがとうございました!」
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