番外編・ある日の二人〈後〉

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番外編・ある日の二人〈後〉

「ハア、ハア、ハア……」 「ふうん、だいぶ薄いな」  薄目を開けると半透明な液体が蒼真の手を濡らしているのが見えた。 「目、閉じちゃったね。かなめがイクところを見てるかなめを見たかったのに」 「ハア、ハア……おまえ、ほんとヘンタイ……」  僕は力が抜けて、床に膝をついた。  僕を片手で抱きとめるようして蒼真も膝をつくと、白液で濡れた手を僕の後穴に持っていく。そして中に塗り込めるように指を入れた。 「ぁ、やめっ、ぁっ───」 「止めないよ、かなめのオナニーなんか見たらガマン出来るわけない!」  力が入らない僕は抵抗らしい抵抗も出来ない。蒼真は床に落ちていたバスタオルを広げ、そこに僕をうつ伏せにすると、腰だけを高く持ち上げた。そして素早く自分のハーフパンツを下ろした。 「あっばか、脱ぐなよっ、無理だって言って───」 「最後に目を閉じた罰だ」 「なんだそれ───も、あんなに昨日、さんざん、ぅぅ、朝もっ」  蒼真はすっかり立ち上がっているペニスの先で、狙いを定めるように僕の後穴を擦る。 「それはかなめもだろ、なのにさっき一人でしてた。足りないなら、いくらだって───」 「あっ───!!」  熱の固まりが、めり込んできた。 「後ろからだとスルッと入るね。かなめ、痛くないか?」 「それを心配するなら、くっ、やんなきゃいいだろっ」  蒼真はゆっくりと動き出す。 「さっきは、自分の体を見て興奮したんだね。かなめは淫乱になったなあ」 「ち、違う! だいたい脱衣所に、ぅ、こんなデカイ鏡、オカシイだろっ」 「それは兄貴に言ってくれ」  蒼真の動きが加速していき───ズルッと抜けた。  え、止めた? なんで……と思っていたら、僕の体をグイッと下にずらし横向きに寝かされた。 「この辺ならよく見えるかな?」  目の前の鏡には、横向きに寝た僕とその後ろにピッタリくっついた蒼真が映っている。 「っ、そうまっ何を───」 「見ててね」  蒼真は僕の上側の脚を抱(かか)え上げた。恥ずかしい部分が何もかもさらけ出される。    鏡には蒼真の濡れたペニスがクッと僕の中に入り、深く沈んでいく様子がしっかりと映っている。 「ぁあっ、」 「スゴイ眺めだ……かなめの中に、ホラ、入ったり、出たり……」  鏡の中で繰り広げられている、僕と蒼真の痴態───あまりの光景に目をつむると、強烈に突き上げられた。 「ひっ!」  思わず目を見開く。 「ちゃんと見てろ、かなめと俺が、一つに繋がってるところを」  そう言って腰の動きを速めていく。  長いストロークで中をかき回される。昨日から3回も───しかもさっきイッたばかりの僕の前はほとんど反応しない。  それでも不思議なことに欲望と興奮はどんどん腰に溜まっていく……。 「かなめが俺を、ほら、美味しそうに食べてる」  蒼真は外れそうになるまで引き出すと、わざとゆっくり後穴に埋め込んでいった。同時に僕の中もジワジワと広がって快感に満たされていく……。思わずそれを締めつけて蒼真の熱を味わった。 「かなめ、絡みついてくるっ」  蒼真は根元までみっちり入れると、耳元で囁いた。 「こっち向いて、キスしたい……」 「うん……」  振り返るようにして口を差し出すと、すぐに塞がれた。口の中で蒼真の舌が性急に動き回る。僕も舌を伸ばして濃密に絡め合って口を離すと、二人の口を唾液が繋いだ。 「かなめ……俺だけのものだ……誰にも渡さない」  蒼真はそう囁いて僕の顎をつかむともう一度キスして、また鏡の方へクイッと向かせた。その手を胸に下ろすと乳首を摘まんだ。 「今俺が、かなめに何をしてるか、ちゃんと見てるんだよ」 「ぁ、ぅ」  鏡の中で───僕の大きな乳首が蒼真の指に()ね回されている───腰を押し付けて僕を突き上げ、引いてまた貫く様子もはっきりと映っている───蒼真の顔も雄の欲望に燃えて───。  乳首と後穴と目からの三重の刺激に、もうオカシクなるほど感じていた。 「ぅ、そうまっ、ぁぁ、そうまぁ」 「かなめっ」  蒼真は耐えかねたように激しく動き出した。 「あっあっ!、ぁあっ」  強く揺さぶられ涙が(にじ)んでくる。何か未知の、苦しいような耐えられないような快感が大きく膨らんで───はじけた。 「ああ!!」 「かなめ」 「ぁ……」  体の中心で蒼真の(ほとばし)りを受け止めると、僕も(とろ)けるような快感に(ひた)った……。  半分意識を飛ばしていた僕の脚を降ろすと、蒼真はふふっと笑った。 「かなめ、からイキできるようになったんだね」 「……から、イキ……」 「ああ、どんどんエロく進化するなあ……ホントに心配だ」 「……心配?」 「最近の要は色気ダダ漏れだから」 「……そんなこと、ない……」    まだ朦朧とした意識で蒼真をみつめていると、蒼真は僕の中からずるずると出て行こうとする。無意識にそれを引き留めるように締めつけた。 「ぅ……ハア、無自覚だから、こわいな」  僕の顔にそっと手を添えると、目尻に滲んだ涙を丁寧に舐め取った。 「かなめ……かわいい……感じ過ぎて、泣けちゃったんだね」 「……ん……」  優しい舌が気持ちよくて、瞼を閉じてため息をついた。 「ふふ、また夜しようね」 「ぇ……」  反論する気力が湧く前に体がふわりと持ち上がる。 「かなめ……愛してるよ、かなめ……」  蒼真の優しい声を聞きながらバスタブに運ばれた……。 〈 完 〉 ───────────────── お読みいただき有難うございましたm(_ _)m
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