マフラーの思い

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僕は君をしっかり守れているだろうか? 凍える早朝、君をしっかりと温めてあげているだろうか? 高校生になった君は僕を嬉しそうに迎え入れてくれた。 細くて長い首、色白の張りのあるその頬に少し触れるだけで嬉しくて、早く君を温めようと必死だった。 でも あれからもう3年の月日は流れた。 君は変わってしまった。 3年もの間君を見てきたのに、夏の暑い間だって君に会えなくても一度足りたも忘れる事はなかったのに、 君の温もりをどう忘れろと言うんだい? それなのに、、、 ついこの間知り合ったばかりの男の腕にしがみつき、君のその愛おしい頬を男の胸に押し付けて、 「暖かい」と言う。 今まで見たこともない幸せそうな笑みを浮かべてそう何度も。 絶対に僕の方が君を温めてあげられるはずなんだ。 それなのになぜそんな顔をする? 君がその男の手を握り暖かいと言うたび、 君がその男に抱きしめられて暖かさを感じるたび、 君の首に巻かれた僕は君をもっともっと温めようと必死に巻きつくんだ。 僕の思いがだんだんと、きつくきつく、 君へ伝わる様に。 抑えられない君への思いとあの男への嫉妬が 僕をそうさせるんだ。 ぎゅぅっときつく、精一杯の愛で君の首へ巻きつきたいんだ。 強く強く、この思いの量だけ、ギュウッとギューっとキツク巻きついたんだ。 許してほしい。 僕にはこうするしかなかったんだ。 ただ僕は、君を誰よりも温めたかっただけなんだ。
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