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涙の歓迎会
「ほら、行くぞ!」
「うん。」
勇気はあたしの歩幅に合わせてゆっくりと歩く。
あたしは勇気と優馬の家に帰るのかと思っていた。
「あれ?
家こっちの道だよ?」
「こっちでいいの。」
勇気はあたしの手を引いて歩く。
10分ぐらい歩いただろうか。
着いたのは小さなバー。
「さぁ、入って!」
あたしは背中を押された。
店に入ると。
「可憐!
ようこそ!」
村中の民達が集まっていた。
「何?!」
あたしは驚く。
「お前の歓迎会だよ。
みんながやりたいっていうからさ。」
「かんげいかい?
あたしの?」
「みんなの為にいろいろしてくれただろ?
みんながお礼したいって企画したの。」
あたしの歓迎会、、、。
あたしは胸が熱くなった。
*
バーには沢山の花が飾りつけられ、ようこそ可憐の横断幕が貼られてあった。
「可憐!
こっちきなよー。」
「今日は飲むぞ!」
「可憐!」
民達は笑って迎えてくれた。
あたしはたまらなくなった。
「どうして、、、?」
みんなが静まりかえる。
「あたしは酷いことをしたのに。
あたし、あたし、、、。」
「可憐。
もういいんだ。
可憐のおかげでこの村は今までにないくらい活気づいた。
もういいんだよ。」
奥にいた優馬が言った。
*
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