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「鳴海お前、馬鹿だろ」
本格的に目が覚めたのは既に正午を過ぎる頃。仕方なく本日は自主休校と相成った。
まあ、おかげでよく眠れたし妙にスッキリ……いや、身体は怠いし某所が痛む。
切れてはいないようだが腫れぼったい。ヒリヒリするし、今も何かが挟まってるようで変な感じだ。
「え~、だって鈴の中すっげ気持ち良いからさぁ。本当は俺も何回も抜こうとしたんだよ? でもその度に鈴がギュウギュウ締め付けてきて離してくんないし」
「嘘言うな」
「嘘じゃないってば。鈴も可愛い声で気持ち良さそうに鳴いてたでしょ。殆んど抜けかけた状態から思いっきり奥まで俺が深ぁく突く度に、アンアンってさ。も~あれ本当たまんなかったんだから!」
「幻聴・幻覚……いや、間違いなくそれはお前の見た夢だ」
「違うよぉ!」
「または妄想。毎日くだらないことばかり考え過ぎて、ついに現実との見分けがつかなくなりやがったか、この変態め。
被害が俺だけにとどまる内はまだしも、やがて本物の性犯罪者として捕まりそうで怖いな」
俺の場合、不感症だからかイマイチ性的な行為をされたという自覚が無い。
寝ている間に度々無断で突っ込まれ、腹が膨らむほど大量に中出しされるのは実に迷惑だ。が、相手は親友の鳴海なので通報する気は別にない。
もっとも、酷い痔主にでもなったら治療費は全額請求する予定だけど。
まあ最近は便秘知らずになったくらいで、最初のような切れ痔とは無縁である。
……痔が治らない間、俺が一切口をきかなかったので鳴海も反省したらしい。
以降、ローションやジェルの使用は勿論のこと穴の拡張にやたら時間をかけ、執拗なくらい丁寧に優しく解してから突っ込まれるようになった。おかげで今やプロのマッサージ師なみに巧いかもしれない。
(プロどころか鳴海以外の他人に肛門をマッサージされた経験は無いけどね)
上達し過ぎて、突っ込まれるまで気付かず眠りっぱなしという弊害が生じちゃったのは想定外。
もしここがサバンナで俺が草食動物だったなら、ある朝目が覚めると肉食動物の口ん中――。
うん、命に関わる問題だ。
「おい抱きつくな、離れろよ鳴海」
「ん~何で?」
「鬱陶しいからに決まってんだろ」
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