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くすのきせんせいは、樹齢千年の大きなクスノキで、これまで生きてきたすべてのことを見て、聞いて、知っていました。
ちぃちゃんを一瞥するなり、くすのきせんせいは言いました。
「これは薬がきかない、流行り病だね」低い声はあたたかみがあり、まるで陽だまりのようです。
「熱は、体がいまたたかっている最中だから、ちぃちゃん、もうひと踏ん張り、しっかりと水分をとって、元気があるときはあまりはしゃぎすぎないように」
そうくすのきせんせいが言うと、ちぃちゃんはどうしてそんなことを知っているのだろうと、ほんの少し恥ずかしくなりました。
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