少女N中学校

◯◯ポーズ

公立N中学。 公立だから、頭の良い人も悪い人も、運動ができる人もできない人も、カワイイ娘もそうでない人も、カッコいい男良（こ）も、そうでない人も色々。
若い俳優が教師役をやる民放ドラマの教室のように洗練された容姿の生徒ばかりなんてあり得ない。中学校の普通の女の子坂田コトネ。

プリントを後ろへ回してください
「・・・」

「・・・」

「足りない？そこ余った？じゃあそれ水野さんに渡して」

「・・・」

「足りないとこないかな？大丈夫？いいね」

「・・・」

「いいね、プリントもらってない人がいても知らないよ、いいね、始めるよ。」

「・・・」

「みんなプールの後だから疲れているのかな」

「・・・」

「竹内君大丈夫？」

「👍」

「よし、竹内君の力強いガッツポーズが出たから始めるよ」

「んっ？坂田さんなに？歯が痛いの？えっ
、水野さんも」

「虫歯ポーズ」

「虫歯？坂田さんなに？そんな照れながら虫歯ポーズって？竹内君知ってた？なに、竹内君まで知ってるの。 じゃあ、こうやって？虫歯ポーズ！」

「違う」

「違う？あっそうか、アゴじゃなくてもっと頬の方ね」

「ハッハッハ(笑)」

「じゃあ、これでどうだ、虫歯ポーズ！」

「👌」

「オッケー？ 先生の虫歯ポーズに竹内君のオッケーポーズがでましたので、じゃあ今度は本当に始めます」

クラスを明るくする雰囲気がありながら恥じらいを見せながら授業に参加している坂田コトネだった