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中村文則「掏摸」を読んだ
中村文則の『掏摸』を読み終えた。
米澤穂信の『満願』も読み終えたけど、評価が高い割にピンとこなかった。期待し過ぎてはいけないのだなぁと思った。
中村文則は過去に何冊か読んだけどちょっと読みにくい印象が残っていた。
『あなたが消えた夜に』
『去年の冬、きみと別れ』
『惑いの森』
代表作でもないせいか内容はまったく覚えていない。それに僕は、読んだらすぐ忘れて同じ本を買ったりするダメ男だ(;´Д`)
デビュー作の『銃』を読みたかったけど、100円コーナーの『掏摸』を買った。内容はもちろんだけど、僕は文体もかなり気にするタイプだから、状況や感情の描写を短いセンテンスにギュッと詰めこんだ筆致に、かなりとハマってしまった。癖になる読者がいるのはよくわかる。
〈醜い顔を無理に日焼けさせた男の姿は、息をのむほどに無残だった〉
〈男は僕に、あるいは世界に弁明でもするように、口を開こうとしていた。彼は今、悪意のある何かに、その存在を頭上から照らされているように思えた。男は叫び出す準備をするように、喉を震わせた〉
僕としては、こういうのもアリだなぁ。
「裏表紙より」
東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎──かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。
「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」
運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは……。大江健三郎賞を受賞し、各国で翻訳されたベストセラーが文庫化!
これを書く前に意図的に『旧約聖書』を読んでいたそうです。確かにひとの人生を支配するものとして、ふと神を思ったのは間違いではなかったようです。もちろん神がそのような存在であるとは言いませんが。
続編とされる『王国』もいつか読んでみたい。
そして今日、やっと読みたかった本を見つけた。
『殺戮にいたる病』我孫子武丸 やっと入手した(๑˃̵ᴗ˂̵)و
道尾秀介も読みたかったから買った。
『カラスの親指』道尾秀介 BOOKOFFで2冊1100円。
『青天の迷いクジラ』窪美澄をショルダーバッグに入れたところだけど、取り換えよう。
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