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糞ジジイと叙述トリック
本日、内科の待合に座っていた時だ。抗がん剤の投与があったからね。
「○×△☆♯♭●□▲★※!」じいさまの怒声がする。出たよ。ジジイ登場。
「あ、いえ、ですから……※□◇……ほかにお加減の悪いところはないですか?」
女性の看護師さんだ。あらあら、余計なこと口にしたかも……。
「◎△$!具合が悪いから来てんだよ!×¥●&%#!」
──ほら出た、やっぱり……。
そんなことは誰だってわかってんだよジジイ! ここはソラマチでもなければディズニーランドでもない。心遣いの言葉は感謝して受け取ればいいのだ。こんなこと書くと怒られるかもしれないけど、病院で働いている誰も、お前のことを本気で心配なんてしてないってんだよ。
たまにだけど、病院ではこんなやり取りが聞こえる。団塊の世代じじいだ。こいつらは本当にたちが悪い。奴らの得意技は揚げ足取りだ。
●団塊の世代とは、日本において、第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代を指す。焼け跡世代(あるいは戦中生まれ世代)の次の世代に当たり、第二次世界大戦直後の1947年(昭和22年)〜1949年(昭和24年)に生まれて、文化的な面や思想的な面で共通している戦後世代のことであり、大学進学した人は、学生運動が最も盛んな時期に相当する。第一次ベビーブーム世代とも呼ばれる。
─Wikipediaより─
芸能界で言うなら。
矢沢永吉・泉谷しげる・北野武・武田鉄矢・高田純次・テリー伊藤
良くも悪くも我が道を行くタイプと見える。それが悪く出る人がいる。みなさんが、たま~に見かける糞ジジイである。
あ……今日はそんな話ではなかった(;^_^A
『殺戮にいたる病』を読みました。
読み始めても、実はあまり面白くなかった。早く読み終わろうとサクサク読んでいたら、最後の方が面白くなってきた。
永遠の愛をつかみたいと男は願った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔! くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。
太文字で書かれた最後数行……
え? なに? なにが起こった? え?
状況がまったく飲み込めない。
解説を読んだら「叙述トリック」だった。ページを戻ったら最初から騙されていた。そうなのだ、たしかにそうなのだ。都心に住む大学生であるはずの🚹が車を持っている確率は低いはずなのだ。必要がないから。
〈叙述トリックとは〉
主に推理小説などで、先入観などを利用し、読者を誤った解釈に導くことを意味する語。例として、人物の性別や年齢、時系列や場所などに関して、文章中で重要な情報を巧みに隠匿することにより、読者を欺くことが行われている。
─weblio辞書より─
この小説は人物のミスリードでした。読んでいて面白い、とは言い難い小説だったけど、叙述トリック小説だと知らずに読んだからびっくりしたː̗̀(☉.☉)ː̖́
三十年前に発行された小説だ。日本がまだバブルだった頃。著者によると、初版数千部で重版もかからなかったらしい。文庫で少しづつ売れ始めて、いまや著者の代表作になっている。
「いまこれを書くとしたら、もうちょっとスタイリッシュな構成を目指したのではないか」と著者のあとがき。
うん。改稿したものが読んでみたい気がする。ぜひそうするべきだ。
おすすめは……どうだろう? 叙述トリックって書いちゃったしなぁ。
『イニシエーションラブ』より、びっくりしちゃったかも。
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