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バン(自動車)の中で目隠しに口を塞がれ腕を縛られ、抵抗しても無駄だと思った僕はそのままスヤスヤ眠っていた。
「よいっしょ」
ドスッ
「うう”……」
勢いよく床に叩きつけられて目を覚ますと目隠しと口を塞ぐ布、腕を縛るロープが解かれて自由だと気付くと同時に、狭い白い部屋に閉じ込められたことが良く分かった。
部屋には白い簡易ベッドと白いテーブルに白い洋式トイレ……まるで刑務所の檻の中と思ったが、清潔感のある白い壁と白い内装に刑務所の面影はなく近未来的なセンスを感じさせた。
数十分くらいぼーっと白いベッドに横になっていると荷物入れのようなガラスで仕切られた小窓から白い衣服を置かれ、20代後半くらいの男性が僕に命令する。
「着替えなさい」
何となく拒否権は無いんだろうなぁと無気力な表情で白い衣服を手に取って、着替えをまじまじと見つめられながら僕は白い衣服を着た。所々に赤いラインが印刷されている白い衣服は、病院で着る病人用の服というよりもこれまた近未来な隊員服……のようだった。詳しくはわからない、生地は分厚くなくとても軽い。
「あの……ここ何処ですか?」
男性は僕の言葉を無視して何処かへ去って行ってしまった。
「どうするんだよ……」
どうすることもできない僕はぼんやりと天井を眺めながら2度目の眠りに落ちた。
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