Trac05 Desperade/イーグルス

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「ユウジ、うち来る?」 「行く」 無防備すぎて笑える。でも、久しぶりにユウジの音が聞けるのが楽しみだ。 セックスは誰とでもできるけど、音楽を一緒にやれるのはユウジだけだ。 マンションの3階にある部屋に入ると、ユウジは「割とキレイにしてんじゃん」と見渡した。 ほとんど寝るためだけの場所と化しているからな。外でナニやってんのかは言わずもがなだ。でも、誰も連れ込んだことはない。ユウジの気配とか匂いとか掻き消えそうな気がして。 ユウジは真っ先に寝室に入ってギターを持ってきた。 「おっ、チューニングしてある。すぐ弾けるじゃん」 弦を鳴らして、嬉しそうに目を輝かせている。 リビングのソファに座って、音で遊ぶみたいに弦を弾く。 「ユウジが宝物だって言ってたから」 俺は電子ピアノの前に座った。背中から、「イーグルスのDesperade」って、前と同じようにリクエストを投げつけられる。 ユウジの方を見れば、ふっと笑みを溢して、長い指からメロディが流れ落ちた。俺はゆっくりとそれを追いかける。和音で相槌を打つような、単純な伴奏だ。 ーーーーWhy don't you (なぜわからないの?)come to your senses? ーーーーThese things that(君が楽しいと) are pleasing you (思っていることが) Can hurt (君を傷つけ)you somehow.(ているかもしれないんだよ)
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