Trac05 Desperade/イーグルス

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「マジで帰るの?」 「ああ、カホを迎えに行かないと」 ギターをスタンドに掛けて、ユウジは押し入れに、ん?それってもしかして 「ユウジが使ってたやつ?」 ユウジが取り出したのは、黒いギターケースだった。フタを開ければ青いボディが明かりを反射し、オレはまだやれるぜとばかりにピカピカ光って主張する。ユウジがバンドで弾いていたエレキギターだ。 「ちょっと生活が落ち着いてきたし、スタジオも見つけちゃってさ。 できたら、先輩達やお前と演奏もしたい。 プロを目指すわけじゃないけど、また音楽やりたいんだ」 「いいと思う。てかやりたい」 「やっぱお前も、音楽が好きで続けてきたんだろ」 ユウジは無邪気な笑顔を見せる。ギターケースを担いで立ち上がる。メンテは自分でやりたいらしい。 「また来るよ。今度はカホも連れてくる」 「別にいい」 「俺が来たいんだよ。ユカリとお前のうちだしな」 「・・・わかったよ」 ユウジのことを無理矢理忘れるのは、もうやめよう。この調子じゃ無理っぽい。 マドンナの歌みたいに、気長に"悲しみが海へ流れるのを待つ"しかなさそうだ。 仕事をして、ピアノを弾いて、好きな曲を聞いて、たまにセックスして。 よくよく考えれば、中々悪くない生活だった。 WALKMAN3rd end
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