introduction

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ホテルの部屋の明かりはついたままだった。 顔が見えなくなるからとか何とか言ってた。 ジョンは本当に趣味が悪い。 ジョンというのはもちろん渾名だ。Hated John(嫌われものジョン)。初めて会った時に聞いていた曲だが、今日日嫌われ者と化している警察官のコイツにはピッタリの名だ。本名は聞いたけど忘れた。セックスするだけの関係だから覚える必要もない。 「頑張るねえ」 ジョンは妖艶に微笑んだ。 それはこっちの台詞だ。  俺のナカに突っ込んだまま、動きもしないで胸やらアソコやらを弄んで、もう何分たっただろう。ギリギリまで追い詰めるくせに、イキそうになると手を緩めてくる。 みっともなく乱れて強請るのを期待しているに違いない。 そんな変態野郎の容姿は腹が立つほど整っている。 ほどよく筋肉がついた身体に、女みてえな焦げ茶色の目、形のいい唇がエロい。 甘いマスクという形容がピッタリな貌が俺を見下ろす。
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