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私は君のお母さんを幸せにできなかったばかりか
君の存在も知らず、私の元妻から
君を守ってやることもできないでいた
本当に情けない親だ
父親だと認められないのは分かっている
でも、君の力になることだけは許して貰いたい』
父は体を震わせながら瑞姫ちゃんに頭を下げました
すると瑞姫ちゃんは優しく父をハグしたのです
『いいえ、母はあなたに家庭があることを知りながら
あなたに恋をしたのです
母が息子の要さんのことを思って身を引いたことは
間違っていないと思います
私は幸運にも最初の父と
両親亡き後は
叔父にたくさんの愛情を受け大切に育てられました
だから、不幸せだと思ったことはありません
ただ一つだけ気がかりだったのは
母があなたに捨てられたということでした
でも、要さんから真実を聞き
母が本当は愛されていて、
今も尚あなたに思われていることを知り
とても嬉しかったのです
なので、私はあなたを恨んではいません
会えて嬉しいです、お父さん』
父は瑞姫ちゃんにハグをされたまま泣いていました
瑞姫ちゃんは一瞬で頑なだった父の心を溶かしてしまったのです
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