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登校
長い夏休みを終え、まだ汗ばむくらいの暑さが残る中、
足早に中学校の校門を抜けると誰かが駆け寄る足音がした
「瑞姫〜!!おはよっ」
屋外であろうが室内であろうがお構い無しに
話しかけてくる声の大きさは相変わらずだ
「おはよう、サリナ
もう!毎回言うけど、その声のボリュームなんとかならないの?」
友人の飯島サリナは入学式で隣同士に座った時に
いびきをかいて寝ていたのを注意してからの腐れ縁友達
2年生になっても同じクラスで
私の前の席に座り、授業中だろうがお構い無しに話しかけてくる
最初はうざいと思ったが、おしゃべりの内容が結構面白く
チャランポランのように見えがちだが、
成績は上位に居るところがギャップで
今は一番、仲の良い友人だ
「アハハッ、今更何言ってんの?
それより夏休みの間にまた、
瑞姫髪の毛伸びて可愛くなったよね〜
って言うか、美人なんだよね、元々瑞姫は。
最初会った時、凄く髪が短くて男子かと思ったけど
よく見たら綺麗な顔してたし勿体ないと思ってたんだ
やっと女子に見えるようになったね笑
でも、その黒縁のダサい眼鏡もなんとかしないと
せっかくの美人が半減する」
私の前に回り込みしげしげと私の顔を観察しているかと思えば
駄目出しを始めるサリナを無視し私は小走りで校舎に向かった
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