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変化
2年生の1学期から伸ばし始めた髪は夏休みが過ぎる頃には
肩まで伸びていた
午前中の授業を終え学校から家に戻ると
いつも仕事で忙しい慧ちゃんが珍しく家に居た
「おかえり」リビングから慧ちゃんの低く通る声が聞こえると
私は嬉しくて急いでリビングへ駆け込んだ
「ただいま!!慧ちゃんどうしたの?家に居るなんて」
私の興奮した様子に慧ちゃんは笑いながら答える
「ちょっと仕事の時間が空いたから戻って来た
夜まで時間があるから久しぶりに
瑞姫と買い物に行こうと思ってね」
「買い物!?行く行く〜!」
慧ちゃんと一緒に買い物なんていつぶりだろう
とにかく、一緒に出かけられることが嬉しくて
私は全速力で着替えを済ませた
多分、駅前のショッピングプラザだと思っていたら
慧ちゃんは駅の階段を登り改札に向かって行く
「瑞姫、PASUMO持っているだろ?」
「うん、持っているけど一体どこに行くの?」
行き先の見当が全くつかない私を連れて慧ちゃんは
電車を乗り換え若者に人気の駅で降りた
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