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肉じゃがの行方
饅頭みたいな形のベルが二つ付いた目覚まし時計は、真鍮のような金属色でずっしり重たかった。
裏側についているゼンマイを回すと、カリカリという独特の音が耳に楽しかった。
最近では聞く事も無い、バネの巻上がっていく音。
それが何だか楽しくて、思わず限界まで巻いてしまった。
それから時計を机の上に置くと、コチコチと音を立てて秒針が時を刻み始めたではないか。
驚いた。爺さんのガラクタがまさか動くなんて。
ちなみに、この時計がうちに届いたのはつい先ほどのことだ。
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