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取り引き
店を出て、19時に駅前で立っていると、10分ほどしてから写真立てを持った女性が現れた。
女を見て、Kはすぐに、彼女の命がもう長くはないことが分かった。
それは恐らく、ある特定の人にしかわからないような確証のない曖昧なもので、それでいて周波数が合えばはっきりと聞き取れるラジオのように、確固としたものだった。
1円を受け取って去ろうとする女性にKは思わず、
「貴女はもうすぐ死にます。」
と叫んでしまった。
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