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「あ~よかった。スルーされたかと思った。」
「な、ななな、なんで!?『友達』って『平行線』って言ってたのに!?」
「平行線だと思ってたけど、なんか気づかないうちにどんどん璃子に惹かれて角度がついていっちゃってたみたい。側にいてくれるからとか、自分のこと好きでいてくれるからとか、そういうのじゃなくて、俺は璃子ともっと一緒にいたい。楽しいし自然でいられるし癒されるんだ。いつも笑っていられる・・・それに璃子が他の男と一緒にいるとこ想像すると嫌でたまらない。」
何度も自分の名前を言ってくれているのに、耳元で言われた言葉は本当に自分に向けたものなのか、本当にそんな嬉しい事態が起こっているのだろうか、璃子の頭は大混乱に陥った。
「し、新貝さん、えっと・・・とりあえず一度離れてから・・・。」
璃子が離れようと動くと、一直はパッと体を離して璃子の顔をじっと見つめる。
「だから、今から俺の彼女ってことでいいでしょ?もう友達じゃ嫌だから。」
一直は至極当前と言わんばかりにきっぱりと言い切った。
「どええ!?!?!?」
『俺の彼女』その破壊力抜群の言葉に衝撃波を放たれ、璃子は後ろにのけぞるとよろめいて倒れそうになってしまった。素早く手を掴まれ彼の方に引き寄せられる。
「こんなに好きにさせた責任とって。」
一直は切なげな声で言うと璃子を壁際に追い込み彼女の頬に手を当てて、最大限に目を見開いたままの彼女の唇に口づけた。
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