白い金平糖 ~平行~

58/63
前へ
/191ページ
次へ
───今、触れた?これに、あれが!? 柔らかいものが離れると、自分の唇に手を当て一直の唇を凝視してしまう。すっかりパニックだ。 「ちちちち、ちょっと待って!!」 「・・・待てない。時間が惜しいんだ。」 一直の胸を押して体を離したのに、再びグッと抱きしめられてしまう。彼の顔から目を逸らして靴箱に視線を移し、なんとか頭の中を整理しようとするものの、めちゃくちゃにとっ散らかってしまっていて、とてもじゃないがすっきりしそうにない。 「え、ええーとつまり、新貝さんがあたしの彼女で、あたしが新貝さんの彼氏で・・・。」 「いや逆だから。」 「おおお落ち着いてくださいよおお!」 「落ち着いてないのはそっちでしょ。」 「落ち着けるわけないじゃないですか!何が何だか・・・。」 「わかった。おとなしくなるまでその口塞いでやる。」 「え?どういう?」 「これで理解して。」 一直は壁に両手をつくと先程より深く口づけた。
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!

739人が本棚に入れています
本棚に追加