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───今、触れた?これに、あれが!?
柔らかいものが離れると、自分の唇に手を当て一直の唇を凝視してしまう。すっかりパニックだ。
「ちちちち、ちょっと待って!!」
「・・・待てない。時間が惜しいんだ。」
一直の胸を押して体を離したのに、再びグッと抱きしめられてしまう。彼の顔から目を逸らして靴箱に視線を移し、なんとか頭の中を整理しようとするものの、めちゃくちゃにとっ散らかってしまっていて、とてもじゃないがすっきりしそうにない。
「え、ええーとつまり、新貝さんがあたしの彼女で、あたしが新貝さんの彼氏で・・・。」
「いや逆だから。」
「おおお落ち着いてくださいよおお!」
「落ち着いてないのはそっちでしょ。」
「落ち着けるわけないじゃないですか!何が何だか・・・。」
「わかった。おとなしくなるまでその口塞いでやる。」
「え?どういう?」
「これで理解して。」
一直は壁に両手をつくと先程より深く口づけた。
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