白い金平糖 ~平行~

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「・・・はっはあ、はあ、は・・・結構・・・やるね。吸引がすごくて・・・あ、タコってこういうことか・・・。」 長い時間の後、一直が降参したかのように離れ、先程よりも息が荒いのに冷静を装うようにして言った。 「・・・はあはあ、ま、タコはともかく、あたし、攻める女ですから。陸上やってたから肺活量もあるしね!どうだ、参ったか。」 ふふん、と勝ち誇ったように鼻を鳴らして言うと思わぬ反撃が返ってきた。 「へ~え、あんな乙女な下着つけてるくせに?」 一直は先程の真面目な顔はどこへやら、ニヤニヤと憎たらしい笑いを浮かべる。 「!?!?見!?!?」 「こないだ来た時洗面所で・・・わざと見せたんじゃないの?確信犯でしょ?」 「んなわけないじゃないですか!!そういうこと言うと、もう一回キスしますよ?唇がしびれて腫れちゃうくらいしますよ?」 「・・・そんなに意気込んでるなら、服も脱いじゃう?」 一直は挑戦的な眼差しで言う。 「・・・いいですよ?受けて立とうじゃないですか。」 璃子は瞳の中に炎を燃やして返した。 「さすが、ノリがいいね。」 「挑まれた勝負は受けますよ。けど、あたし強気で行きますから。ちゃんと心の準備しといてくださいね。」 「俺に勝てると思ってんの?」 「負けず嫌いですから。」 お互い不敵な笑みを浮かべて言う。 「言っとくけど、俺は愛されるより愛したいタイプだから。璃子が俺のこと好きな気持ちを表してくれるんなら、それ何倍にもして返してやるから。」 「あたしも同じタイプですよ。絶対負けませんから。」 「ふーん・・・じゃあ、お手並み拝見と行こうか。」 「望むところですよ。」 一直は璃子をゆっくりと抱き寄せた。
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