白い金平糖 ~平行~

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「今日の朝のおやつは何にしようかなぁ~。アメリカンドッグかなぁ?でも甘いものも食べたいぞ。そっか、両方食べればいいんだ。」 会社のあるフロア。真中がコンビニに行く為バナナを食べながらエレベーターを待っていると、到着音がして扉が開いた。 その途端彼の目に密着して全力で気持ちをぶつけ合う二人の姿が飛び込んできた。 「!%☆〇!■&!」 衝撃的過ぎてその驚きは声にはならず、力が抜けた手から解き放たれたバナナが地球の引力に従って床に吸い寄せられた。 「・・・あ、着いてた。」 一直が璃子からゆっくり離れて残念そうに言う。 「・・・あ、おはようございます!」 璃子は乱れた髪を整えつつ、わなわなと震えている真中にいつも通り元気に挨拶をする。 真中は冷静さを取り戻す為に本能的に二人から目を逸らして辺りを見回し、床に落ちたバナナを見るとやっと我に返り声を出した。 「え~っ!!!!!」 ───白い金平糖 ~平行~ 完───
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