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ミカ「そうなのかな?まあいいわ。ね、座らない?」
堤防を降りる階段に河の方を向いて座る二人。
鉄橋を渡る電車の音が響き渡る。
ヒロキ「久しぶりだね。10年ぶりくらい?」
ミカ「うん、あたしがこの街を小6で引っ越してからだからちょうど10年かな」
河沿いの道を数人の子どもたちがキャッキャと走り抜ける。
ヒロキ「俺たちもあんなだったよな」
ミカ「そうね、よくこの河まで遊びに来て泥だらけで帰ってたよね」
ミカ、目を細めながらヒロキの横顔を見つめる。
そしてヒロキと目が合うと、にっこりとまた微笑む。
回想シーン。
小学校の教室。
黒板に書かれた文字を必死に消すヒロキ。
黒板にはヒロキとミカの名前が相合い傘の中に書かれている。
ミカ、ヒロキにそっと歩みより、優しく頭を撫でる。
ヒロキ「やめろよ、恥ずかしい!」
ミカ「恥ずかしくなんてないよ、あたし、ヒロキのこと、好きよ」
わーっと歓声が上がる教室。
ヒロキ、教室を走り去る。
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