ふたりで…

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ふたりで…

……… コーヒーを飲み終え 私たちは お店を後に… 外に出ると 雪はやんでいた… ほんの少しだけ 道路に積もっていた 「寒みぃ…」 駿真(しゅんま)が肩を上げて言った 「本当…寒いね…」 「うん…イルミ行くか? 滑ると危ないから 手を繋ごう?」 駿真に手を差し出されて 私をその手を取ると 恋人繋ぎになり ふたりで駅まで戻り 駅の反対側へ向かう 人はまばらだ… 皆が同じ所へ行くわけでもなく 今日は何処かで クリスマスをしているはず あ…今日じゃない人も 居るのかな… 昨年のクリスマス・イブと クリスマスを思い出す… あの時は… まだ駿真と付き合って居なかった 家で家族と過ごしていた 今年は…彼氏が出来たから 両親にお願いして お泊まりの許可をやっと貰った そう…初めての駿真とお泊まり… ちょっとぴり 緊張して来た… 「緋奈(ひな)? 静かだな?具合い悪い?」 駿真の心配そうな顔が 私を覗き込むように見た 「だ、大丈夫だよ。 何処も具合い悪くないよ。」 「本当? その言い方…大丈夫ぽくないけど…」 言っても良いのかな… チラッと駿真を見てから 「緊張してるの… 今夜…駿真とお泊まりだなって 思ったら…」 「えっ?そうなの?」 「…うん。」 「そうか…緋奈も緊張してるんだ? 俺だけじゃないんだな…」 「…えっ?駿真も?!」 「当たり前だろ? 緋奈と初めて一緒に過ごすんだから…」 照れた顔をして 駿真は私を見た 私はその顔を見て ホッとした 駿真も一緒だったことに… ………
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