第一夜 プレゼントには赤いリボンを

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「プレゼントは何が欲しいの?」 「そうだなぁ……セーターにしようかな」 「それだけでいいの? 時計とか、靴とかは?」 「あとは明日香がいればそれでいいよ」  髪にキスをされる。  もう、周りに人がいるのに。と言いつつも嬉しい。  デパートの内の店を何軒か回って見る。  この色がいい。このデザイン素敵。そう言った会話をしながら一緒にいる何気ない時間。これだけで私にとっては素敵な贈り物だ。 「やっぱりこれがいいよね」 「そうだね。それにしようかな」  会計を済ませてラッピングをしてもらう。直人は袋のままでいいと言ったけど、せっかくのプレゼントだもの。  赤と緑のクリスマスカラーの包み紙に、赤いリボンを付けてもらった。雰囲気がグッと出る。 「俺が持つよ」 「大丈夫。夜になって渡す時まで私が持っていたいの」  だってプレゼントだもの。私から渡さなきゃ意味がない。
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