たとえ星になっても、君を見てるよ。

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(ねえ、ナオちゃん、ボクは大丈夫だから) 小さい頃から一緒にいた、ナオちゃん。 ボクたちはいつも一緒に、遊んでかけっこして。 ボクは生まれて間もないころ、ナオちゃんの家に来た。 ナオちゃんはその時2歳だったよね。 大きさは、ボクより少し大きいくらい。 ほとんど変わらなかった。 そんなナオちゃんも、もう高校生になったんだよね。 昔はあんなに小さくて、ボクと同じくらいだったのに。 今ではボクを抱きかかえられるまで、大きくなったね。 ボクは、君に抱えられることが多くなった最初の頃、なんだかむずがゆくて嫌がってたなぁ。 ナオちゃんの成長が、嬉しい。 でももうすぐ、ボクはナオちゃんといられなくなるの。 だから、ナオちゃんの成長が、悲しい。 もっと一緒に居たかった。 でも、ボクの寿命はナオちゃんに遠く及ばない。 ナオちゃんが泣いてくれるの、とっても嬉しい。 それだけ、ボクを大切に思っててくれてるってことでしょ? 離れるの、寂しくて悲しい。 でも、だから、ね? 「わ、ん……わん」(『泣か、ないで』) ナオちゃんにはこの言葉、聞こえないけど、どうか泣き止んで? ボクはずっと、きっと、お星さまになっても、ナオちゃんを見てる。 ボクはナオちゃんに会えたから、幸せだったよ。 ナオちゃん、ほんとに大好き。 遊んでもらったこと、泣いてもやったことも、ボクはずっと忘れない。 明日も、明後日も、来世も、ずっと、ずぅーっと、忘れない。 ボクは、静かに目を閉じて、思う。 大好きだよ、ナオちゃん。 ありがとう、またいつか──
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