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クリストファー少年は、夜が来るのをじっと待った。そして、母が夕食の準備に取りかかり始めた。
「クリス、今日もお手伝いお願いね」
「え?うん・・・」
今日は僕の誕生会なのに?
「ねえ、ママ?」
「なあに?」
「今日は、なんのご馳走かな?」
「ごめんね、今日は昨日の残り物の七面鳥なの」
「でも、ケーキ、あるよね?」
「ケーキ?クリスマスケーキなら昨日食べたじゃない?」
「違うよ!僕の誕生日ケーキだよ!」
「あら?昨日のパーティーがお誕生会と一緒だったのよ」
「そんな!だって、誰も“ハッピーバースデー”って言わなかったよ。ケーキにろうそくがなかったし、吹き消してないし、“おめでとう”って誰も言わなかったよ」
「でも、クリスマスイブだったから、“メリークリスマス”って」
「じゃあ、僕の誕生会ってもう終わっちゃったの?」
「ごめんなさい。でも、昨日クリス喜んでたから・・・」
「じゃあ・・・じゃあ、僕の特別なプレゼントは?」
「今朝全部開けたでしょう?」
「でも、でもスライと同じだけだったよ!スライは先月誕生会をしてもらって、誕生ケーキのろうそくを吹き消して、誕生日プレゼントもらったのに!」
「あなただってちゃんともらったじゃない!」
「僕の仔犬は?あの茶色と白の仔犬は?」
「犬はパパがダメだって」
「どうして?うちには芝生の庭があるんだよ?」
「あなたはまだ子供だからお世話できないでしょう?」
「ママと一緒ならお世話できるよ」
「ごめんね。ママは飼ってもいいって思ったの。でも、スライは犬が嫌いなんだって」
「・・・」
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