12月25日

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 クリスの目から涙があふれて止まらなかった。階段を駆け上がり、自分の部屋に入ると、ベッドにうつ伏せて泣いた。誕生日をクリスマスと一緒に祝うなんてうそっぱちだったのだ。クリスの誕生会は、クリスマスのおまけ程度、特別なプレゼントなんて準備されていなかったのだ。  ベッドにうつ伏せて泣きながら、クリストファー少年は、母の言葉を思い出した。スライが男の子だったから、2人めは女の子が欲しかった。確かに、母はそう言ったはずだ。クリスは生まれた瞬間、つまり、その両足の付け根のところに、“ちょっとした突起物”があることを見つかった瞬間、両親を失望させていたのだった。そんなことを告白してしまうなんて、クリスの母は、優しく美しく知的ではあったが、残念ながら思慮深いとは言えなかった。これから自分がクリスと呼ばれるたびに、その後に続くのが”〜トファー“ではなく、”〜ティーン“であるべきだったと、繰り返し思い知らされるのだ。  それは、ある意味十字架を背負っているようなものではないか?
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