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12月11日
誕生日まで、あと1週間。学校で、恒例の発表コンテストのプレゼンターを決めることになった。今回のテーマは、”名前“。名前は両親からの贈り物である。それとクリスマスを関連つけるのだ。みんなはこの面倒くさく、面白くないテーマに全く興味を示さなかった。だが、完璧な優等生を目指してまっしぐらのクリストファー少年は、自ら手を挙げた。
家に帰ると、キッチンで母の手伝いをしながら、早速尋ねてみた。
「ママ、僕の名前はどうしてクリストファーになったの?」
「あなたの名前?」
母は、忙しく夕食の調理をしながら答えた。
「クリスはね、クリスマスかイブに生まれる予定だったの。だから、イエス様とクリスマスにちなんで、クリスになったのよ」
クリスは、満足げにほくそ笑んだ。思った通り!クリスマスの発表に、まったくもってふさわしいではないか!
「ママ、素敵な名前をありがとう」
「どういたしまして」
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